社名に込められた思い

電巧社という名前は、
創業者の「電気の仕事を巧みにこなす会社にしたい」という強い思いで、
命名されました。しかし、昭和大恐慌のときに産声を上げ、
有限会社に改組したのは、太平洋戦争の始まる数日前でした。


そんな生い立ちですから、決して順風満帆に育ったわけではありません。
戦前・戦中・戦後と、電気工事業から
製造業を経て商社へと業態を変えたのも、
生き残っていくための厳しい選択の結果でした。
ゼロからの出発を何回か繰り返すなか、
数えきれない苦労を乗り越えてきたのだろうと思います。


さて、電巧社の社名の漢字書体ですが、 字体をちょっと変えてあることにお気づきでしょうか。





「電」という字の上側はそもそも「雨」の字のはずですが、
電巧社の社名では「両」の字が使われています。
ワープロの略字体みたいですから、
初めは看板にするときに字が潰れない工夫かと思いましたが、
看板に限らず、名刺や封筒など、いたるところで使われています。
また「社」の字も、「示」と「土」を組み合わせた旧字体です。
なぜこのような古めかしい書体を使っていたのでしょうか。


すべては「電巧社」という名前の画数を24画にするための工夫で、
わざわざそのために作った書体だったのです。
24画は財運に恵まれる画数。
さらには旧字の社を使っている会社は、
神様のオヤシロと同じなので倒産しないと言われていたそうです。


株式会社の字体にも工夫があります。
「会」の字の下の「ム」は本来2画で書きますが、
これを1画で書くように繋げてあります。
「社」が「示」と「土」の組み合わせになっているのは、前述のとおりです。
これにより、株式会社は29画となり、
これは知略を生かす画数だそうです。
「知略」、すなわち「巧」ということだと思います。
さらには株式会社と電巧社を合わせると53画になりますが、 これも財運の画数になります。


単なる縁起担ぎかもしれませんし、遊び心と言っても構いません。
創業者は何も言い残していかなかったので、真相は闇の中ですが、
きっと辛かった時に、誰かが画数のことを教えて下さって、
そっと名前を変えたのではないでしょうか。


信じるとか信じないということではなく、
社名ひとつの中に込められた創業者の強い想いを、
いつまでも大切にしていきます。